肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
症状
麻痺の進行により症状が違います。初期は小指と環指の一部にシビレ感が出現します。麻痺が進行するに伴い、手の筋肉がやせてきたり、小指と環指が変形をおこします。
<肘那智症候群とは?>
肘で尺骨神経に圧迫すや牽引などが加わり生じる神経の障害をいいます。
原因・病体
肘の内側において、尺骨神経に何らかの原因で慢性的な圧迫や牽引が加わることにより発症します。例えば、神経を保持しているバンドやガングリオンなどによって神経が圧迫され、慢性炎症をおこします。肘関節が老化して変形し神経が障害されることもあります。手術所見では、圧迫が加わった近位には神経が腫大しているのがみられます。その他に、小児期の肘の骨折による変形のため、大人になってから起こることもあります。
診断
肘部の内側を叩くと小指と環指の一部にシビレが走ります。肘部骨折の既応がある場合にはX線写真で肘の外反変形がみられます。X綬写真で異常が見られない場合は、他の原因を探す必要があります。
治療
薬物の投与などの保存療法が成功しない場合は、尺骨神経を圧迫しているバンドの切離やガングリオンの切除をします。神経の緊張が強い場合には、骨をけずったり、神経を前方に移動させる手術を行います。肘の外反変形を手術的になおす場合もあります。
CODE MB(1)271
1999年1月作 成
2005年5月第6刷
1999年1月作 成
2005年5月第6刷